お子様の補聴器購入を考えている方

はじめて補聴器を検討、または購入される方

子どもたちの聞こえが大切な理由

子どもたちは周囲の人の会話を聞くことでことばを学習し、周りの人々とのコミュニケーションを深めていきます。
聞こえに問題がある場合は、そのコミュニケーションが難しくなってきてしまいます。

ことばは教えられるものではなく、身につけるもの


私たちは、生まれた瞬間から、ことばを習得していきます。
生まれたばかりの乳幼児は、泣く、ぐずる、あくびや咳・くしゃみなどしかできません。
乳幼児はことばでのコミュニケーション能力は発達していませんが、周囲の音をずっと聞き続けています。
乳幼児はすぐに保護者の声を聞き分けることができるようになります。
難聴があるとことばの発達につまづきが生じてしまう場合があります。
しかしながら中度から重度の難聴をもった子どもたちであっても適切な時期に補聴器などの器機の力を借りることで、ことばを身につけていくことができる可能性が生まれます。


より早い発見で、子どもたちの可能性が広がる


研究によれば、重度の難聴を抱えている子どもたちであっても、比較的早い段階で難聴が発見されることで、話しことばを身につけることが期待できます。ときに重度難聴の難聴は軽度や中度の難聴よりも発見されやすいこともあります。
できるだけ早く検査を受け、より早い段階で難聴を見つけ出すことは重要なことです。聴覚ケアに関する技術が発展している現在、生まれてから数週間、数ヶ月の間であってもその子どもにあった器機を調整することが可能です。
聞こえの状況にあった補聴器を装用し、適切なタイミングで言語療法を受けることが可能です。
もし非常に重度の難聴であって、重度難聴向けの高出力の補聴器でも聞き取りが難しいといった場合であっても、視覚(手話・指文字)を使ったコミュニ ケーション技術を身につけることが可能です。このようなコミュニケーション方法やまたことばでのコミュニケーションの習得を目指すのであっても、その機会 を早く得ること、そして音の情報を絶えず、お子さんに伝え続けていくことが大切です。

聞こえの問題を持つ子どもとともに


私たち大人の多くは、子ども時代を振り返り、素晴らしい時を過ごしたなと振り返ります。一方で難聴のお子さんの多くも、わたしたち大人が子ども時代に体験したこととと同じように、またはそれ以上に多くのことを体験していくことになります。
しかし、難聴をもつお子さんの環境では、ことばの成長期間(発達)で多くの課題があるかもしれません。
お父さんやお母さん、そして周囲のサポートによって子どもたちは活発な毎日を送ることができます。聞こえの問題が、周りの人々とのコミュニケーション、友達との交流や学校生活といった子どもたちの毎日の妨げとなるべきではありません。
そして、先進の補聴器は例え重度の難聴をもつ子どもたちであっても、そのメリットを感じることができます。

大切なことは、聞こえの問題のあるなしに関わらず、全ての子どもたちは、その子らしく成長できることです。
すべての子どもたちには個性があり、ひとりひとり反応も違います。ご両親や周りの人々は、その子が特定の場面ではどのように反応し行動するのかをできる限り理解することが必要です。
難聴をもったお子さんの成長を見守ることには、ときに困難も伴います。子供の成長にこれという正解はなく、またこうあるべきという定まった手法があるわけではないからです。
子どもたちがどのような場合に聞くことが難しいのかを理解することで、その子が必要とする手助けをすることができます。


必要なときには適切なサポートを


多くのご両親や保護者の方は、補聴器によってお子さんが聞こえを回復すると考えるでしょう。しかし残念ながら補聴器は、聞こえを補聴するもので聞こえの機能を回復させるものではありません。補聴器を装用した際にも、周囲による適切な配慮や協力が必要になります。
ご両親や周囲の大人たちが「聞こえや難聴」に対する理解を深めることによって、難聴を持つ子どもたちは難聴のない子どもたちと同じように過ごすこと ができます。心配ごとや質問がある場合には、医師や言語聴覚士やその他子どもを支える聞こえの専門家にアドバイスを求めることをお勧めします。
お子さんは、たまたま難聴であるけれどもあるがままに素晴らしい存在であることを、そして難しい場面に直面した際にも、お子さんを支えるあなたが愛 情を持ち、受け止めてそして力づける存在として側にいることを伝えて下さい。何かを達成できたときは思い切りほめ、お子さんがあなたと分かち合いたいと 思っている事は、たとえそれが小さなことであってもどうぞ目を向けて下さい。愛され、信頼されていることを感じることで、子どもたちは自信を持ってのびの びと毎日を過ごすことができます。